給食基本計画
1.はじめに 《策定にあたって》
現代社会において児童・生徒の健康や体力については、「肥満」「過度のダイエット」「体力の低下」「生活習慣病の低年齢化」「食物アレルギーの増加」など多くの複雑化、多様化した問題が指摘されています。
これらの問題はすべて食生活と密接に関係し、健康の維持や体力の向上は、「生きること」=「食べること」につながる「命のリレー」といわれ、「食生活」は人間にとって非常に重要な役割を担うものです。
文部科学省は、平成20年の学校給食法の改正により、法の目的として従来の「学校給食の普及充実」に加え、「学校における食育の推進」を新たに規定するとともに、同法第2条に規定する「学校給食の目標」についても、「食育」の観点を踏まえ、以下の7項目に整理、充実を図っています。
《学校給食の目標》
学校給食を実施するに当たっては、義務教育諸学校における教育の目的を実現するために、次に掲げる目標が達成されるよう努めなければならない。
- 適切な栄養の摂取による健康の保持増進を図ること。
- 日常生活における食事について正しい理解を深め、健全な食生活を営むことができる判断力を培い、及び望ましい食習慣を養うこと。
- 学校生活を豊かにし、明るい社交性及び協同の精神を養うこと。
- 食生活が自然の恩恵の上に成り立つものであることについての理解を深め、生命及び自然を尊重する精神並びに環境の保全に寄与する態度を養うこと。
- 食生活が食にかかわる人々の様々な活動に支えられていることについての理解を深め、勤労を重んずる態度を養うこと。
- 我が国や各地域の優れた伝統的な食文化についての理解を深めること。
- 食料の生産、流通及び消費について、正しい理解に導くこと。
この学校給食の目標をふまえ、「食育」の充実を中心として学校給食の教育的効果を高めるための推進体制を学校、家庭、地域がともに連携して作り上げることが求められています。
本庄上里学校給食センターにおきましても、献立内容の充実や使用食材の安全性の確保、衛生管理の徹底等により、児童・生徒たちにバランスのとれた、安全・安心でおいしい給食の提供を行う一方で、学校や家庭、地域との連携により、子どもたちが望ましい食習慣を身につけ、食の重要性に関する知識を学ぶ機会として、また、食生活が自然の恵みや食に関わる人々の支えによって成り立つことへの感謝の気持ちを育む場として、学校給食を位置づけ、「食育」の核としてその積極的な活用について取り組んでいかなければなりません。
こうしたことから、本庄上里学校給食センターが、学校給食に求められる様々な役割を具現化する施設であるとの位置付けをふまえ、これからの学校給食のあり方についての指針として、学校給食基本計画を策定いたしました。
2.基 本 計 画
2-1 <基本理念>
- 「心身の健全な育成」
給食を、栄養バランスのとれた食事を提供することだけでなく、望ましい食習慣や生活習慣を身に付けることや集団生活の中での豊かな人間関係の育成を図るなど多様な目的をもった教育活動として位置付け、子どもたちの心身の健全な育成を図ります。 - 「環境意識の高揚」
「限りある地球の資源を大切に使って、地球と仲良くする社会」をつくることを実践し、その重要性を「食」を通じて子どもたちに伝えます。 - 「感謝の心の育成」
地場産品の活用等により、自然の恵みに対する感謝と、食材料の生産者、給食を作る調理人等多くの食に関わる人々の働きによって給食が作られるものであることを理解し、働く人々への感謝の心を育みます。
食事の準備や後片付け等みんなで協力して自主的に活動することで、勤労の大切さを知り、残さず食べようとする心を育てます。
“食を通して子どもたちの心身の健全な育成を図る。
2-2 <基本方針>
次の基本方針によって学校給食を提供していきます。
安全でおいしい学校給食を提供する環境づくりを行うとともに、学校給食を通じて子どもたちの健全で健康な心身の発達を促し、「食」についての理解と自然の恵みや人への感謝の心を育成し、郷土の文化への愛着を育んでいきます。
【安全でおいしい給食の提供】― 安全衛生の確保
学校給食の基本は安全でおいしいことです。優れた設備や最新の機器を活かし、常に安全でおいしい給食を実現します。
また、食材の安全性を確保するために、常に正確な情報収集に努めるとともに、情報の公開と法令遵守に積極的に取り組み、危機管理を図ります。
【生きる力を育む給食の提供】― 健全で健康な心身の育成
子どもたちの「食」は、さまざまな問題に直面しています。『食』と『健康』の問題を、子どもたち一人ひとりが受け止め、考え、理解し、行動していく力を養う「生きる教材」として学校給食を活用し、家庭での食生活との連携によって子どもたちの心身の健康を育みます。
【豊かな食文化を伝える給食の提供】― 郷土文化の理解と自然や人への感謝
豊かな自然と旬の食材は地域の文化です。四季折々の旬の食材や、地場産物を大切にし、地域で育まれた郷土食などを積極的に取り入れ、子どもたちに豊かな食文化を伝え、郷土への愛着を育みます。
地産地消の推進により、地域の自然や人々への理解を深め、「食」をより身近に感じ、「食」に対する意識の高揚を図ります。
2-3 具体的な取り組み
【安全でおいしい給食の提供】― 安全衛生の確保
- 安全で安心できる給食の確保
給食の安全性を確保するため、食材や施設の衛生検査の充実等より一層の衛生管理に努めるとともに新鮮で安全な地場産物や旬の食材の導入、献立の工夫により「安全でおいしい給食」の提供を行います。 - 環境に配慮した給食施設の運営
新施設への移行に伴い環境に配慮し、給食の残さを少なくするよう食育の推進や献立の工夫に努めるとともに、給食の食べ残し等のリサイクルシステムを確立し、「ゴミ」を排出しない環境に配慮した施設運営を推進します。 - 情報の発信と法令の遵守
ホームページの活用や「給食だより」などによる情報の積極的な発信に努めるとともに、給食試食会や研修会の開催等により学校給食への住民の理解を深め、地域との連携による「食育」の推進を図ります。
また、法令遵守は事業活動を行うにあたっての前提であるとともに、最低限守るべき義務でもあります。このため、法令の動向に留意し、法令遵守を確実にするために、その責任者を明確にしておくとともに、確認体制を明確にします。 - 学校給食費の未納防止
学校給食の適正な運営を維持するためには、保護者の皆さまから納入していただく給食費が必要となります。
しかしながら、近年給食費の未納が増加する傾向が見られます。これは、学校給食の運営を圧迫し、適正な学校給食の運営に支障をきたすとともに、負担いただく保護者間の公平性が保てないこととなります。
このため、今後は未納原因を分析し、個別に具体的な対応を検討する等未納防止に積極的に取り組みます。
- 「衛生管理マニュアル」などの周知と徹底
- 定期的な設備の点検
- リサイクルシステムの構築
- 給食残さ肥料の活用等による食育・環境教育の推進
- 職員研修会の実施
【生きる力を育む給食の提供】― 健全で健康な心身の育成
- 基本的な生活習慣の改善
子どもたちが心身ともに健全に成長していくためには、適当な運動、栄養バランスのとれた食事、十分な休養と睡眠が大切です。学校や家庭との連携によりこうした基本的な生活習慣の改善を推進します。
取り組みの中心として「はやね はやおき あさごはん」運動の展開を位置付けます。 - 「食」を自己管理する能力を育成
学校給食の献立には、食文化に触れたり、食材の栄養に関する知識を深めたりする要素がたくさんあります。学校給食と家庭の連携により、食生活を栄養のバランスや食品の安全性について正しい知識を習得する「生きた教材」として活用し、健康的な食習慣を身につけることで、「食」を自己管理する能力を育成します。 - 栄養バランスのとれた食生活の確保
外食や調理済み加工食品を利用する人の増加等により、栄養が偏りがちな現代社会の食生活で、不足しがちな栄養素の摂取を補助し、栄養バランスのとれた望ましい食習慣の習得を支援します。 - 楽しい食事環境づくりの推進
学校給食を生きた教材として活用し、基本的な食事マナーの習得するとともに、楽しい雰囲気の中で会食できる機会として「楽しい食事環境づくり」を推進します。 - 食育の推進体制の整備
栄養教諭や栄養職員を中心とした「食に関する指導の全体計画」を策定し、学校や家庭との連携を強化していく体制の整備を推進します。
- 「はやね はやおき あさごはん」運動の展開
- 「給食だより」等を活用した広報と啓発
- 校内放送等を利用した広報と啓発
- 望ましい食習慣を身につけるための指導
- 給食試食会の奨励
- バラエティに富んだ給食の提供
- 不足しがちな栄養素を補完する給食の提供
- 食物アレルギーの理解と対応
- レクチャールームを活用した親子料理教室等の実施
- 自分で献立を決定(選択)するセレクト給食の実施
【豊かな食文化を伝える給食の提供】― 郷土文化の理解と自然や人への感謝
- 地産地消の推進
学校給食に地場産物を使用し、食に関する指導の「生きた教材」として活用することは、児童生徒がより身近に、実感をもって地域の自然や食文化、食料の生産や流通等に関する理解を深めるとともに、食への感謝の念を育むうえで重要です。食材の安全性の確保に努めながら、地場産物や地元加工品の積極的な活用を図り、郷土への理解と愛着を育みます。
なお、地産地消を具体的に推進するため「食育推進基本計画」に掲げる目標値をふまえ、各年度において地場産物を使用する割合を目標として定めることとします。 - 食文化の継承と自然や人への感謝
地場産品の活用により新鮮で安全な食材の確保が可能となるとともに、地域の産物による郷土食、伝統食を活用した献立の工夫により、郷土への関心を深め、郷土のよさを理解し、郷土への愛着を深め、郷土の人々や自然への感謝の気持ちを育みます。
また、栄養教諭・栄養職員や調理員が学校を訪問し、食材の紹介や献立の説明、センターの紹介等を行うことにより、児童・生徒にとって給食センターがより身近に感じられるよう啓発に努めます。 - 食域を広げ、味覚を養う
現代の子どもたちには、食に関する基本的な体験が不足していることが指摘されています。様々な食材を味わい、食域を広げ、味覚を養うことで、食への興味や関心を育て、望ましい食習慣が身につけられるよう努めます。
また、諸外国の食事を知り、味覚を広げることで、国際理解を深め、食への関心を育てます。
※「食域」とは、摂取する食物の領域、範囲をいいます。
- 地産地消の積極的な推進
- 郷土食や郷土食材にかかる啓発
- 給食試食会の奨励
- 食の拠点としての機能の充実と情報の発信
- 様々な食材を提供し、食域を広げる献立の推進
2-4 計画の期間
平成22年度から平成26年度まで(5ケ年計画)
3.計画実施にあたっての関係者間の連携
本基本計画の推進にあたっては、学校給食組合、本庄市及び上里町、学校、家庭、地域がともに連携し、各々の役割分担を明確にし、協力しながら学校給食の質の向上を図ることが必要です。
- 本庄上里学校給食組合の役割
給食施設の衛生管理の徹底と効率的な運営を図るとともに、食材の安全確保に努め、郷土食や地産地消の導入など献立内容の充実を図ることにより給食内容の充実を推進します。
学校・家庭・地域との連携による「食育」に関する指導の充実を図ります。 - 本庄市と上里町の役割
本庄上里学校給食組合と連携し、学校給食施設や設備の整備や維持管理、運営に必要な経費等の負担を行い、効率的で円滑な給食施設の運営を確保します。 - 学校の役割
本庄上里学校給食組合との連携を図りながら、学校給食を通じて児童・生徒の心身の健康の増進を図るとともに、家庭や地域とも連携して計画的に「食育」に関する指導を行います。 - 保護者の役割
家庭における「食育」においては、保護者が自らの行動を通して「食べるのは健康のため」という意識を子どもの中に育くんでいくことが重要です。
また、「はやね はやおき あさごはん」といった基本的な生活習慣を身につけることや、「家族そろっての食事」やごはんづくりを一緒に行うなど家庭内のコミュニケーションにも有効です。
学校給食との連携により、「食」に関する取り組みを行うことで、児童生徒の心身の健康の増進を図ります。
